同窓会会長挨拶Greeting

あいさつ

新潟大学理学部同窓会
会長 麸沢 祐一

 今年度会長に選出されました、物理科支部長の麸沢祐一です。よろしくお願いいたします。
 コロナ禍の影響で、この3年になろうとする間、同窓会もやはり本来の活動にも影響があり、ご迷惑をおかけしております。ここしばらくの間、第7波が落ち着いてきました。このまま収束してほしいと願わずにはいられません。
 ところで、私にとっては新潟大学で学生時代を過ごし、学ぶということが、少しわかったように思います。大学で学ぶといいますと、専門書をよむということが、重要なことの一つに思われます。物理の専門書を読むことで、専門知識を増やす、学ぶ、その学問の考え方や思考方法、思考技術など様々なことを理解し身につけることであると思うのです。しかし、学生時代、私が物理の専門書を読み始めると、まずわからない、日本語だから読めるけれども、何を言っているのか、わからない。難解で読むことはできませんでした。内容を理解できないだけでなく、それをどう処理してよいかわからない。専門書のはじめなのだから、第一歩として理解しなければこの先もうわからなくなるのか、ここは読み飛ばして後で理解できるようになっているのか、この読み方がわからない。読んでいくしかないので、読み進めるが、やはりわからない、全くわからない。ですから、どうしたらよいかと途方に暮れたものでした。
 物理の講義はしっかりとありましたし、有志のゼミがありました。わからないなりに、これらと向き合い、物理学に浸かって、膨大な時間を費やして、最後には、私は、自分でわかることを少しずつ増やし積み上げていったように思います。これしかなかったのですが、これがよかったと思います。難解なものも読むけれども、自分にとって読みやすい専門書や時には啓蒙書、物理学者の随筆などを読むことで、時には演習書をやることで、自然と難解な専門書も理解できるようになったのではあるまいかと思います。特に私にとって力になったのは、バークレー物理学でした。力学、電磁気学、統計力学など、ノーベル賞物理学者が書いたとは思えない分かり易いものでした。そこに掲載されている演習も、面白く、またその物理の内容をうまく活用することでできるものでした。ここからでした。進めるようになりました。このような試行錯誤の毎日で、学ぶことが少しわかった気がします。
 さて、理学部はまもなく創立75周年を迎え、様々な行事が行われ、また、校舎改築の計画もあると聞きます。会員の皆様には、いろいろな場面でご協力をお願いすることになります。どうかよろしくお願いいたします。